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『D&D風番長G全キャラ名簿・コモン編』 『D&D風番長G全キャラ名簿・アンコモン編』 『D&D風番長G全キャラ名簿・レア+α編』 『ソードマスターミカゲ』 カッタールキ・オッティソン オープニング前半 カッタールキ・オッティソン オープニング後編 桃爺のセクハラ大作戦×大爆発が起こりました。×「自重力(フォース)と共にあれ」 「鬼無瀬VS鬼無瀬」(生徒会SSの続き) 『タイトル未定』(縞居姉妹と阿天小路) 『D&D風番長G全キャラ名簿・コモン編』 C鬼無瀬未観 攻 2D3+1 防 0 体 2 速 4 『鬼無瀬時限流小目録”再度歪印蛇”』 PAS 敵を殺害するともう一度行動が可能。 C萌木原ジャベリン 攻 0 防 1 体 5 速 4 『サリンジャー』 ACT 敵一体に純ダメージ4点。 制約:味方1体行動不能 Cぺウレカムイ 攻 6 防 0 体 3 速:3 『キムンカムイ』 PAS 敵を殺害するともう一度行動が可能。 C紅月文 攻 5 防 1 体 4 速 4 『鉄拳制裁』 ACT 敵一体の攻撃と防御を入れ替えて通常攻撃。 制約:戦線離脱 C金色 美味 攻 0 防 1D6 体 4 速 3 ACT 仲間一体の「行動不能」を解除。 制約:女性のみ、能力使用後金色を魔人ダスに戻す。 Cカッタールキ・オッティソン 攻 1D3+2 防 3 体 4 速 0 『窮地にあり華々しく』 PAS 味方全員の素早さ+3 制約:両性のみ、LP半分以下の時のみ C佐藤頼天 攻 1D3+2 防 0 体 3 速 3 『アセスルファムK』 PAS 自分死亡時LP減少無し※未実装 制約:能力使用後佐藤を魔人ダスに戻す。 C縞居天 攻 1 防 0 体 4 速 1 『姉妹園芸(シュヴェスターガルテン)』 ACT “縞居多来”を召喚。 (ステータス5/0/2/2、能力『ヴァイスシュヴェールト』:全員に通常攻撃、成功率1D6で3以上) 制約:空きスペースが必要、同時に1体のみ。 C蝦夷廻ねねか 攻 4 防:0 体 3 速 3 『輪廻蘇生(ループ・ザ・ループ)』 PAS 戦闘終了後に復活。※未実装 成功率:1D6で5以上 C赤城一心 攻 0 防 0 体 3 速 3 『熱血ハートヒート』 PAS LP直接ダメージ2点軽減。 制約:前列でしか機能しない 『D&D風番長G全キャラ名簿・アンコモン編』 UC環あとな 攻 0 防 1d6+3 体 5 速 2 『にゅーくりあぶらすと・らいと』 ACT 敵全体に1D3の純ダメージ UC椎木彗香 攻 1 防 1 体 8 速 4 『墜鬼』 ACT 敵1体に攻撃力10で通常攻撃。 制約:行動不能 UC真野孝三 攻 1D6+3 防 1 体 3 速 3 『ダイイングキッチン』 ACT 敵1体に通常攻撃。 UC小野町小道 攻 1D6+4 防 0 体 3 速 2 『性態観察』 ACT LP直接1D3ダメージ。その後敵1体に通常攻撃。 制約:戦線離脱 UCレミイ・虚子・ロー 攻 6 防 1D3 体 3 速 3 『円月殺法』 ACT 敵1体即死 制約:敵のLPが2以下の時しか使えない。 UC錆山五十鈴 攻 1D6+1 防 1D3 体 4 速 3 『酸の雨』 ACT 相手全員の防御力を1D3+1点減らす。 制約:戦線離脱 UC湯川量子 攻 1 防 1D3 体 5 速 1 『PATH CONNECTED φ BROKE』 PAS 通常攻撃を受けても死亡しない。(LPは減少する) 成功率:1D6で4以上 UC羽犬塚猫子 攻 0 防 0 体 3 速 2 『ファック&スラッシュ』 ACT 味方一体の攻撃と防御が1ターン逆転する。 制約:男性のみ 『D&D風番長G全キャラ名簿・レア+α編』 R桃爺 攻:3 防:6 体:3 速:0 『因果を越えて許されない”unforgiven”』 PAS イベント遭遇時、桃爺をロストして回避可能。 R虎 攻 1D3+8 防 0 体 3 速 5 『トラ!トラ!トラ!』 ACT 敵全体に通常攻撃。 制約:戦線離脱 Rダンゲロス子 攻:10 防:0 体:6 速:3 『フレイムブースターver.2.0』 PAS 敵を殺害するとそのターン通常攻撃無効。 R阿天小路御影 攻 2D6 防 0 体 3 速 3 『無形刀〝鵆〟(チドリ)』 ACT 敵1体に純ダメージ2D6点。 制約:召喚されたキャラのみ R松茸香織 攻 4 防 2 体 4 速 0 『トリコローマ・ナウセオスム』 ACT 移動中 使用済みの「一度のみ」制約を使用前に戻す。 制約:女性のみ、一度のみ SR音杭セーラ 攻 0 防 1 体 4 速 5 『C.C.W.大時計塔』 PAS 相手全員の素早さ-1。 SR荻原蔵六 攻 3D3 防 2D6 体 6 速 4 『影解れ』 ACT 敵全体即死 制約:手芸者と名のつくモンスターにしか効かない。 ?エア=カットラス 攻 1 防 0 体 3 速 2 『A.J.フィールド』 詳細不明。 ?無桐紋葉 攻 0 防 0 体 3 速 1 『風と樹のうた』 詳細不明。 『ソードマスターミカゲ』 最終話 希望を胸に すべてを終わらせる時…! ガイドラインダンゲロス第1巻は、発売未定です。 御影「チクショオオオオ!くらえ結昨日商!新必殺無形刀〝鵆〟!」 商「さあ来いミカゲオオ!私は実は一回刺されただけで死ぬぞオオ!」 (ザン) 商「グアアアア!こ このザ・ドライチと呼ばれる四天王の結昨日商が…こんな小僧に…バ…バカなアアアア」 (ドドドドド) 商「グアアアア」 空虚「結昨日商がやられたようだな…」 香奈絵「ククク…奴は四天王の中でも最弱…」 天「阿天翼心流ごときに負けるとは召喚能力者の面汚しよ…」 御影「くらえええ!」 (ズサ) 3人「グアアアアアアア」 御影「やった…ついに四天王を倒したぞ…これで灰色熊のいる生徒会室の扉が開かれる!!」 灰色熊「よく来たなソードマスターミカゲ…待っていたぞ…」 (ギイイイイイイ) 御影「こ…ここが生徒会室だったのか…!感じる…灰色熊の魔力を…」 灰色熊「ミカゲよ…戦う前に一つ言っておくことがある お前は私を倒すのに『ペウレカムイ』が必要だと思っているようだが…別になくても倒せる」 御影「な 何だって!?」 灰色熊「そしてお前の弟はやせてきたので最寄りの町へ解放しておいた あとは私を倒すだけだなクックック…」 (ゴゴゴゴ) 御影「フ…上等だ…私も一つ言っておくことがある 番長Gに番長の虎がいるような気がしていたが別にそんなことはなかったぜ!」 灰色熊「そうか」 御影「ウオオオいくぞオオオ!」 灰色熊「さあ来いミカゲ!」 ミカゲの勇気が世界を救うと信じて…! ご愛読ありがとうございました! カッタールキ・オッティソン オープニング前半 数年前、メリケン某所にて- 年間ベストモデルグランプリ決勝の舞台に立ちながら、 "彼"――カッタールキ・オッティソンは、絶頂とは何かと考えていた。 人生の頂点、あるいはオーガズムのことを。 満ち足りるとは、いかなる感情なのかを。 "彼"には恋がわからない。 言ってみれば、自分に何が足りないのかわからなかった。 自分に備わった特異な性が、それを生み出した。 自分が人と違うと思うようになったキッカケは小等部の頃、 他の誰より背が伸びたことだったように思う。 男と女が意識され、恋の話題が出るようになる頃には、周囲から完全に孤立していた。 男が、己のあずかり知らぬ女の身体に好奇心を抱くこと。 女が、同じように男に好奇心を抱くこと。 自分に無いものを求めるのが人間ならば、 始めからどちらも持ちあわせていた"彼"には、人並みの「他人への興味」が現れなかった。 成長し、 見目麗しい顔立ちとその長身からモデルにスカウトされ、 自分の身体を他人に晒すようになってからも、その悩みは大きくなるばかりだった。 他人の恋の話を聞くのはとても楽しい。 まるで異世界を旅する冒険譚ような高揚を感じる。 他人から好意を向けられることも好ましい。 人に認められながら歩んでいく道のりは、険しくも充実した人生を自分に与えてくれる。 自分を美しく魅せることが生き甲斐になった。 しかし、ふと立ち止まって考えてしまうことがある。 自分のこの人生の終わり、終着点はどこにあるのだろう。 自分にはあらゆる可能性が眠っている。 自分は今、あらゆる選択肢の瀬戸際にいる。 自分はあらゆることができるが、何をすればいいのかわからない。 自分の絶頂はいったいどこにあるのだろうか。 何をすれば満ちたりたことになるのか。 何が訪れれば、自分の人生は終わるのか。 自分は何者なのか。 嗚呼、自分には見本となるべき手本となるべき人間が居ない。 おお、神よ。 なぜ貴柱は男と女には使命を与え、自分には与えてくださらないのか。 "美"の頂点に立ちながら、 そこから何も得ることはないと知り絶望した"彼"は、 モデル業界から姿を消した。 友人たちはこぞって"彼"を引き止めたが、"彼"はそれを固辞し聞くことはなかった。 "彼"の悩みを真に理解していたものは居なかったのだ。 そして"彼"は、東洋へと居場所を移した。 後半へ カッタールキ・オッティソン オープニング後編 数ヶ月前、東洋のとある山中にて- メリケンから姿を消した人気モデル――カッタールキ・オッティソンは、 その後、仙人を師に置いて武の修行に明け暮れた。 "彼"の恵まれた肉体は瞬く間に教えを吸収し、その力を伸ばしていった。 愛用の武具、三節棍に出逢ったのもこの時だ。 肉体の修練は、"彼"の新たな生き甲斐となった。 己を磨き、より強いモノへと挑戦する姿勢は彼の美学とも適合していた。 自分にはまだ学べるモノがあるという安心感。 教えを乞うに足る師が居ることが、何より嬉しかった。 自分の世界が広がる感覚。 だが、"彼"には二度目の絶望が待っていた。 広がった世界にも果てはある。 "彼"の苛烈な修行について行けず、兄弟弟子が師である仙人に泣きついたのだ。 もうすでに兄弟弟子の誰より強い"彼"は、他の誰でもない自分の師に問いかけた。 己に厳しくあることは、咎められるようなことなのか、と。 すると仙人はこう返す。 人は、他人を見て自分の領分をわきまえ、理解する。 できること、できないことを己ではなく他人を見て覚えるものなのだ、と。 "彼"にないのは、同族。 己の鏡になる、自分の分身。――共感という感情。 "彼"の尺度はいつだって自分が基準で、他人を慮ることがなかった。 "彼"の悩みを真に理解するものが居ないのと同様に、 "彼"もまた、真に他人の悩みを理解することがなかった。 そんな"彼"の分岐点となったのは、 仙人がジャパンから招いたというマジンと面会したときである。 「希望崎の魔人」 噂に聞く世紀末の場所から来たその男――否、 性別も定かではない異形の存在は、 一目"彼"を見ただけで、"彼"もまた魔人であると言い放った。 ――共感能力 近しい人間、近しい属性を持つ存在であればあるほど"彼"の共感能力は強く働き、 図らずも周囲を巻き込んで、意識が一つに混ざり合ってしまう。 魔人は"彼"に言う。 お前のその能力はお前が仲間であると認められる存在と、一つになることができる、と。 絶頂だ。 一つになるということ。 共感するということ。 "彼"は人生で初めて、本当に本当の意味で、それが欲しいと思った。 自分にそんな能力があるのなら、本当にあるのなら。 『アタシはそれを味わいたい!』 希望崎の魔人は、"彼"のその言葉を聞いてニヤリと笑い (それが本当に笑みなのか判別もつかないだろうが) 「希望崎に来い」 とそれだけ伝え、消え去った。 それが、カッタールキ・オッティソンの始まり。 「希望崎の魔人」が一言、来いと言ったから。 "彼"は自分の意思で何かを決める前に、突き動かされるように衝動的に。 ハルマゲドンに参加する。 カッタールキ・オッティソン オープニングEND 桃爺のセクハラ大作戦×大爆発が起こりました。×「自重力(フォース)と共にあれ」 ある日の番長小屋。 中央に置かれたテーブルで、すがすがしい好青年と醜男の老人が並んで喋っている。 「ワシは切った張ったじゃなくだな、盤面の外からこうやって……そう、おなごのケツをなぜまわすようにじゃな。 能力を隠す卑怯モンをじゃな、娘ッ子のちちを揉むように……くどくどねちねちスパムスパム」 醜い顔の老人―――桃爺は、その顔をさらに歪めながら手に持っていた一升瓶をあおる。 「なるほど、確かに強い能力ですよねえ」 対照的に、爽やかさを漂わせる青年―――真野孝三は微笑みを崩さず、無難な言葉で相槌を打つ。 「じゃろう!? ところが何か知らんが、ワシが力を使おうとしたら ワケのわからんお面を被った連中がいきなり現れてじゃな~~…… 『自重力(フォース)と共にあれ』 ……なーどと抜かしおって! おかげでワシは、ワシはあああぁぁぁ……」 「まあまあ、そういう時は飲んで忘れるに限りますよ」 酔った挙げ句に泣きじゃくり始めた老人を労るように、真野が肩を優しく叩く。 実際、こうして桃爺が酔って昔話を始めるのはいつものことであり、 その昔話にしても、ある時は桃爺が盤面外能力で生徒会をちぎっては投げた、といった武勇伝であったり またある時は盤面外能力のせいでつまはじきにされた悲劇的な過去であったりと一貫性がなかった。 しかも同じ話を何度も繰り返す為、最初は話に付き合っていたメンバーも一人また一人と「めんどくせえ」と離れていったのだった。 真野がそれでも話に付き合っているのは、彼がお人好しである証左である。 「ぬー……しかしなんだ、そういやさっきから女子を見かけんのぉ。おかげで酒がマズくてかなわんわい!」 ほぼ空の一升瓶をテーブルに叩き付けるように置きながら、桃爺が叫ぶ。 桃爺は外見もさることながら内面も下郎で、こと女性に対しての発言のひどさには定評があった。 「そういえば、今日はみんなでプールで水浴びしてくるって言ってましたよ。……あ。」 真野が『言わなければ良かった』と後悔するよりも前に、桃爺の濁った目に光が灯った。 「ふおおおおおお!プール!水浴び!水着ィィィィィ!!!」 目から口から耳から鼻から、体中の至る所から光を放出しながら立ち上がる桃爺。 その姿はさながら、アニメ版ミスター味っ子のリアクションを彷彿とさせた。 もう少し刺激の強い妄想をしていたならば、おそらく番長小屋が番長城となっていたであろう。 「も、桃爺さん、今のは僕の記憶違いで」 「よおおおおおし! 桃爺のセクハラ大作戦スタートじゃあああああ!!」 「セクハラって堂々と言ってますよ!?あとパンツをここで脱がないでください!!」 「ムホッホッホホ、スクール水着、ビキニ、ムフフフフ~!」 真野の制止も聞かず、桃爺は衣服を全部脱ぎ散らかしながら番長小屋を後にした。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 数時間後、真野はこう語った。 「それから数分後、プールの方で大爆発が起こりました。 ……どうも『ドキッ!男子更衣室と女子更衣室を間違えちゃったゾ大作戦』を決行した結果、 女子更衣室じゃなく両性更衣室に突入しちゃったみたいで…… そこでカッタールキさんが勢い余って佐藤君を犯してる場面を見ちゃったらしくて…… ……ええ。佐藤君も泣いてました。犯された上に全身ヤケドですしね…… ハルマゲドンに間に合うかなあ、治療……」 「鬼無瀬VS鬼無瀬」(生徒会SSの続き) 戦いは一瞬で決していた。 一撃で仕留めることを至上命題に置く鬼無瀬時限流の仕合としては、珍しくもなんともないことではある。 鬼無瀬未観は小目録の“再度歪引蛇”、鬼無瀬陽観は殺伝の“旋風鬼”。 己の最も得意とする技での打ち合いであったが、その時点で勝負は決まっていたと言えよう。 相手の足を止める“旋風鬼”の前に、素早い立ち回りを要求される“再度歪引蛇”は封じこまれ、リーチとパワーに勝る陽観の野太刀が、小柄な未観の身体を得物ごと叩き飛ばしていた。 一撃で死に至らしめられなかったのは、技の未熟さゆえか、身内への甘さか―― ともかく、この果たし合いは鬼無瀬陽観の勝利で幕を閉じていた。 「はあ、はあ……やっぱ陽君強いね……はあ、……あたしも、もっと修行、しなきゃ……」 息も絶え絶えな未観が、蚊の鳴くような声で陽観に語りかける。 「未観……」 「ハルマゲドン……死なないでね?」 「俺は生徒会なんだぞ?お前の仲間を殺すかもしれない奴に、なんでそんなことが言える」 「でも、あたし、陽君に死んでほしくない……」 そこまで喋ると未観は事切れたかのように目を閉じた。 去り際に未観を一瞥すると、陽観は生徒会室への道を急いだ。 半ば騙すような形で一騎打ちを申し込み、番長Gの戦力を殺ぐ。 会長から指示された作戦は完全といっていいほど上手くいっているが、陽観はそれに対して思うところはない。 今彼の頭を占める決意は、ただ一つ。 「絶対死んでやるもんか」 陽観はひとり、つぶやいた。 『タイトル未定』(縞居姉妹と阿天小路) ある日ハルマゲドンが近づく中、番長小屋周辺には縞居姉妹の姿があった。 多来は天の能力で身体を持った状態である。二人は話をしていた。 「ですから姉さん、綺麗なんですからもう少し身なりに気を使った方が」 「別にいいと思うけ…キャー!!」 いきなり後ろから胸を鷲掴みにされた天が悲鳴をあげる。 振り返ると番長Gの桃爺がいた。 「また貴様か!!セクハラ爺。私の姉に近づくなと言ってるだろう」 愛する姉の胸を揉まれ、御立腹の多来が桃爺にたいし怒りの声を上げる。 「セクハラは失敬な。同じ番長Gなんじゃから交流を深めようとしたただのスキンシップじゃわい、ぐへへへ。」 そういう桃爺からはアルコールのにおいがする。 「桃爺さん、また飲んでますね…」 「酒は百薬の長というじゃろう」 「だからといって飲みすぎは身体に毒ですよ…」 「天ちゃんは優しいのう。より親睦を深めるためさっきのスキンシップの続きを…アイエエエエ」 そういうと天に抱きつこうとした桃爺ったが、伸びてきた蔦が桃爺を拘束し動きを止める 「死んでしまえ」 そういうと多来は右手の蔦を鞭のように振り回し何度も桃爺に叩きつける。 蔦でバシバシ殴られるたびに桃爺の顔がはれ上がっていく。 「あべしっ」 まだ怒りがおさまらないのか、今度は桃爺の身体を持ちあげるとそのまま地面に思いっきりたたきつける。 「多来ちゃんやりすぎやりすぎ。それ以上やったら桃爺さん死んじゃうから」 天のその言葉と主に桃爺は蔦から解放されたが、身体はボロ雑巾のようにぼろぼろになっており、白眼をむいて倒れている。 一応生きているようだが暫く起き上がってきそうにない。 「私は一回死んだ方がいいと思いますけど」 「いやいや、一応同じ番長Gの仲間だからね!」 「汚点としか言いようがないですね」 「多来ちゃん酷いこと言うね」 「むしろセクハラを受けた姉さんが怒るべきでしょう」 「それはそうかもしれないけど…」 そのあとも桃爺の治療をする天をしり目に姉さんの胸揉んでいいのは私だけだとかぶつぶつとつぶやいていたが、ふと見知った顔をみつけ声をかける 同じ番長Gのメンバーであり多来の剣道部の先輩に当たる阿天小路御影であった。 「阿天小路先輩、何か用ですか?」 「生徒会との決戦前に私の剣の鍛練につき合ってもらおうと思ってな」 「…別に私でなくてもレミィや鬼無瀬もいるでしょう。そちらに声をかけてみては」 言外に姉といちゃいちゃしたいからほかをあたってほしいとオーラを漂わせていたがいうが、そんなことは気にせず御影は続ける。 「後輩と久しぶりに剣を交えたいと思ったではだめか?」 これ以上言っても仕方ないだろうと思った多来は受けることに決めた 「まあ、別にかまいませんけど、私は刀は用意してませんよ。姉さんに持ってもらうわけにいきませんし」 桃爺に蔦を絡めたように蔦を自分の腕以上に自由自在に操作できる。竹刀ぐらい持ち扱うのはたやすいが、時間制限がある以上自分で持ち運ぶことはできない。 「それとも素手で?」 「それならちゃんと用意してるぞ」 たしかに、よくみると御影は二本の竹刀を持っていた。 御影からその片方を受け取ると多来は戦闘の準備にうつる。 「負けたからって恨み事はなしですよ」 「私がそんなこと言うと?」 「…先輩はそういうキャラではないですね」 そういうと竹刀を構える。 声をかけれらた時にはのり気であったわけではない多来ではあったが、だからといってやるからには負ける気はない (先輩の能力はたしか…) 声による刃。対象の距離も関係なく切り裂く。 御影相手に距離を取って戦うのはこちらに不利だろう。 (ならば) 「行きます」 その言葉とともに多来が御影との距離を一気に距離を詰め、そのまま御影に竹刀を振り下ろす。 が、御影はそれを予測していたのだろう。横に飛び回避されてしまう。 多来は竹刀を横に薙ぎ払い、わき腹を狙うが、それも防がれてしまった。 「剣の腕は鈍ってないようでなにより」 「当然です。私は姉を護らなければならないですから」 剣道部にほとんど顔を出すことはなくなったが、剣の研鑽を欠かしてはいない。 多来の姉天は学園内でも随一を争う武闘派集団の一つ園芸部の一員ではあるが戦闘能力は決して高くない。 故に自分は何に変えても姉を守らなくてはならない。 それが縞居多来の生前からの思いであり、今も彼女をこの世にとどまらせている未練でもあった。 「ですから、私は誰にも負けません」 そういうと多来は再び御影に向けて竹刀を振り抜く。 対する御影もそれを竹刀で受け止め、弾き飛ばす。そしてその勢いのまま多来に切りつける。 それはギリギリのところで回避されたがそれからも一進一退の攻防が続いていた。 とその時、多来に異変が起こった。 多来の身体がぼろぼろと崩れ出したのだ 「時間みたいですね」 縞居多来の身体は縞居天の能力「姉妹園芸」により構築されたものであり、本来は蘇生能力であるそれは今はまだ不完全なものでしかない。 ゆえに多来の身体は時間がくれば元の土くれに戻り、植物は枯れ果ててしまう。 「残念じゃの。まあ、可愛い後輩の剣が錆びついていなかったことを確認できただけでも良しとするかの」 「後輩といっても私はもう死んでますし」 元の幽霊へと戻った多来が御影に言う。 「ハハハ。死んだとしても可愛い後輩なのは変わらんだろう」 「まあ、辞めたわけではないですけど」 「ならそれでよかろう。私がいなくなっても安心だな」 「いなくなったらなんて、何を言って」 「もうすぐハルマゲドン。誰が死んでもおかしくはあるまい」 「ですが」 「心配するな。あの卑怯者達に正々堂々とし戦い方を教えてやらねばならん。それまで死ぬわけにはいかんだろう」 卑怯者とは生徒会の神有月空虚と結昨日商のことだろう。良く二人を追いかけまわしている御影の姿が学園内で目撃されている。 御影の話によると逃走し変わりの存在に戦わせる能力者らしい。 「では、邪魔をしたな」 そういうと御影は多来の元から立ち去ろうとする。 「あの先輩――」 多来がそれを呼びとめる。 「なんじゃ」 「ハルマゲドンが終わったら、今日の続きを―」 「そうじゃな、それもよかろう」 そして二人は別れ、多来は姉のもとに戻る。
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『生徒会・生徒会長&喜緑書記に決定しました!』 ・・・・・・一気に気が抜けた。 どこかで『出来レ-スだ!』という声が上がったが(その声が谷口に似ていたような気がするが)、まああの二人 なら知名度抜群だし、順当な所ではないか。そういえば、あの生徒会長の傍には必ず喜緑さんがいるような気がする。 『続きまして、特別賞の発表に移ります。特別賞は、文芸部推薦・佐々木&キョンペアに決定しました。 校内放送で、自分の間抜けなあだ名を、佐々木とセットで呼ばれ、少し経ってから俺達は我に返った。 「え、俺達?」 『30分後に授与式を行います。今回選ばれた方は、至急実行委員会本部までお集まりください』 「すごいよ、キョン君、佐々木さん。特別賞に選ばれるなんて!」 長門が興奮気味に話す。 「しかし、特別賞なんてあるとは意外だったね。そんなものがあるなんて、用紙には書いてなかったけど」 確かに佐々木の言うとおりである。何か裏がありそうなきがするが。 「せっかくだから受け取りに行こうじゃないか。その特別賞とやらを」 何故か佐々木の目が生き生きと輝いているように見えるのは気のせいか。 まあ、俺も佐々木とペアで何か賞をもらうというのは悪い気分ではない。どんな内容かはわからんが。 「なら、長門。また後でな」 「うん。また後でね」 長門に手を振って、俺達は実行委員会本部へ向かった。 実行委員会とは要は生徒会のことであり、その本部とは生徒会室である。 「よく来てくれた。キョン君に佐々木君とやら」 自分たちが主催した行事に出場し、自分たちで優勝してしまった生徒会長は、偉そうにしているが、かなり上機嫌 だった。 その横で喜緑さんは静かに微笑んでいる。 「ペアコンテストの優勝者は公正な投票の結果、我々に決まったが、その次に得票が多かったのが君たちだ。投票 用紙に書き込まれたコメントにもかなり君たちを推す声が強かったのでね。特別に賞を授与することにしたよ」 一体なにをもらえるんですかね? 「優勝は我々だったが、それだと特別予算は生徒会に入ることになり、出来レ-スといわれるがオチだ」 すでに言っている奴がいたが。 「こう見えても、私は公正明大と実力主義という言葉が好きなんでね」 そういうふうにはあまり見えないが。 「特別予算は次点であることを考慮し、2割減額の上、文芸部に支給する。それは授与式において正式に表明する」 ほう、なかなか公平じゃないか。どうやら出来レ-スじゃないのは事実のようだ。 「それについては少し面白い余興を考えている。是非、君たちに協力してもらいたい事があるのだがね」 ・・・・・・しかし、高校生の時点でこんなものを着る羽目になるとは思わなかった。余興にしても少し乗りすぎじゃ ないのか、生徒会? 「僕としてはかなり気分がいいのだがね。自分の未来の予行練習のような気持ちだよ」 そりゃ、お前のその姿は誰の目にだってきれいに見えるさ。俺だって見とれてしまうよ。 薄い白銀色のベ-ルに顔を包まれたウエディングドレスの花嫁姿の佐々木。 喜緑さんがばっちりメイクまでしてくれたその姿は、本当に綺麗だった。 しかし、その相手が俺で良かったのかね。一応白のタキシ-ド姿の花婿姿。髪は何とか整えたが、釣り合わないん じゃないか。 「何言ってんだ、キョン。僕ら二人だからこそ選ばれたんだよ。自身を持って行けばいい。言っただろう?君と 組むなら負ける気はしないと」 生徒会=実行委員会の余興とは、優勝者に花嫁・花婿衣装を着てもらうことだったらしい(同性同士だったら どうなっていたんだ?実際、出場者に何組かいたぞ)。 本当なら、生徒会長と喜緑さんが着るはずだったのだが、それでは面白くないと判断したらしく、俺たちにお 鉢が回って来たのだ。 「それじゃ、行こうか。二人とも」 生徒会長が声をかけて来る。 「さあ、キョン。よろしく僕をエスコートしてくれよ」 「それではベストペアコンテストの優勝及び特別賞の授与式を行います」 実行委員の司会で授与式は始まった。 「優勝者は投票の結果、生徒会長&喜緑書記のペアに決定しました。おめでとうございます」 いささか 会場に白けたような空気が流れているのは気のせいか。 生徒会長が司会からマイクを受け取り、喋りはじめる。 「投票でベストペアに選ばれて、喜緑君共々光栄に思う。だが、この結果では特別予算を組んだ意味はなく なる。生徒会及び学園祭実行委員会としては、祭りには多くの生徒が参加し楽しむことに意味がある、と考え る。そこで、投票結果を尊重し、次点のペアを特別賞として表彰し、所属するクラブに予算を支給することに した」 生徒会長の言葉に、会場がざわつく。 「特別賞・文芸部推薦、佐々木&キョンペア」 佐々木の右手を引き、講堂のステージに俺達は立った。 見渡すと、講堂内が大いに盛り上がっているのが解った。 喜緑さんが、花束のブーケを佐々木に渡す。 ベールの下で微笑む佐々木の横顔は本当に綺麗だった。完璧な花嫁姿だ(ドレスのサイズが少々大きすぎたので 、締め付けてはいるが)。 最初はこの姿で人前に立つのは恥ずかしいと思ったが、今は佐々木と並んでこの場に立っているのが、むしろ 誇らしく感じられる。 「全く二人とも良く似合っている。特別賞にふさわしいペアだ」 生徒会長が満足げに頷いた。 「佐々木さん、その花束を会場に向かって投げてみて」 喜緑さんが佐々木に耳打ちする。おいおい、結婚式じゃないんだが。 佐々木は輝くような笑顔を浮かべて、思いっきりブーケを会場に向かって高く投げた。 ----------------------------------------------------------------------------------------------------- 『ただいまより、最後のプログラム、創作ダンスを行います。参加される方はグラウンドへお集まりください』 学園祭のトリを飾るのは、体育祭の時にはへたれて、全高生徒の前で踊るのを拒否した創作ダンス部によるダン ス、それと参加生徒によるダンスだ。 体育祭の時に、軽音楽部の生演奏で踊った全高生徒のダンスが大好評で、学園祭でもう一度やることを実行委員 会は決めたのだ。 「楽しい時間ももうすぐ終わりだね」 創作ダンス部の演舞を見ながら、佐々木はそうつぶやく。 俺達二人はウエディング姿は脱いでいたが、佐々木にはまだ余韻が残っている様だった。 「それにしても、あのブーケ、まさか涼宮さんが持っていくとは思わなかったよ」 佐々木が投げたブーケは、綺麗な放物線を描き、会場の見物人の中に落ちていった。 そのブーケの落下地点にいたのが、何故か涼宮だった。 まるでひったくるかのような勢いで手を伸ばしてブーケをつかみ取った涼宮の横には、古泉の姿があった。 創作ダンス部の演舞がおわり、割れんばかりの拍手がおこる。素晴らしいダンスだった。 そして、最後の、学園祭を締めるダンス。 「さあ、行こう、キョン」 俺の手を握り、佐々木は駈けだす。 参加する生徒達が輪をつくる。その中には、文芸部の皆、SOS団の団員、それに中河と周防の姿があった。 朝倉が中河に踊り方を教え、周防には谷口が付いていた。 橘の姿は見えなかった。ひょっとすると、橘は帰ったのかもしれない。 古泉の横には涼宮がいた。 軽音楽部の演奏とともにダンスが始った。アップテンポなダンスミュージックにのり、参加生徒が踊る。 俺も佐々木も、涼宮も古泉も、国木田に鶴屋さん、長門に朝比奈さん、朝倉に中河、谷口に周防も踊り 出す。 高校一年生の、今の時にしか体験できない、かけがいのない、佐々木と共にいる時間。 つないだ手に、佐々木の温もりを俺は感じていた。
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第一回放送までの本編SS 【オープニング】 話数 タイトル 作者 位置 登場人物 000 開・演 ◆J5IZ9694XQ ??? アレクシス・ケリヴ、ヤムチャ、ハードゴア・アリス 【深夜】 話数 タイトル 作者 位置 登場人物 001 本当の姿が誰にも見せられない ◆J5IZ9694XQ D-1/浦の星女学院 響裕太、ラ・ピュセル 002 それじゃとりあえず仲間を探そうか ◆EPyDv9DKJs D-4~D-5/海上 内海将、リゾット・ネエロ 003 人間ってそんなものね ◆J5IZ9694XQ F-3/街 キュルル、野比のび太 004 ペットは飼い主を選べない ◆koGa1VV8Rw B-7/天下一武道会場 ゲイツ、イエイヌ 005 優勝に懸ける者たち ◆koGa1VV8Rw G-1/町 ルーラ、間桐慎二、キリヤ 006 なぎさと千歌! 恐怖のバトルロワイアル!! ◆WMl/ihM5l. F-8/町 美墨なぎさ、高海千歌 007 劇薬の操り人形たち ◆koGa1VV8Rw F-3/街 野比のび太、中野四葉、加藤鳴海、キュルル 008 魔法少女とロボット少女 ◆yVXuy0xeGI G-4/街 スノーホワイト、リルル 009 おれはジャイアンさまだ! ◆yVXuy0xeGI F-6/ANGEL LAND 剛田武 010 神と神 ◆J5IZ9694XQ G-2/PENTAGON ピッコロ大魔王、新条アカネ 【黎明】 話数 タイトル 作者 位置 登場人物 011 二人の天才児!海坊主の未来は? ◆koGa1VV8Rw F-3/サーカス場 テレサ・テスタロッサ、出木杉英才、伊集院隼人 【早朝】 話数 タイトル 作者 位置 登場人物 【第一回放送】 話数 タイトル 作者 位置 登場人物 Next 【第二回放送までの本編SS】
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第三回放送までの本編SS 【日中】 話数 タイトル 作者 位置 登場人物 148 思い出以上になりたくて ◆KKELIaaFJU D-4/研究所内 東條希 149 killy killy MONSTER ◆gsq46R5/OE F-5/旭丘分校 衛宮切嗣、針目縫、纏流子 150 記憶の中の間違った景色 ◆DGGi/wycYo G-7/ラビットハウス 香風智乃、天々座理世、紅林遊月、風見雄二、空条承太郎、言峰綺礼 151 ■■■■ your enemies ◆NiwQmtZOLQ E-1/放送局 東郷美森、浦添伊緒奈、小湊るう子、アザゼル、三好夏凜、セルティ・ストゥルルソン、ラヴァレイ 152 たどりついたらいつも雨ふり ◆gsq46R5/OE D-4/研究所内 平和島静雄、一条蛍、東條希 153 時は来たれり ◆X8NDX.mgrA C-6、D-6/ショッピングモール付近 鬼龍院皐月、桂小太郎、コロナ・ティミル、宮内れんげ、セイバー、犬吠埼風、結城友奈 154 孤独なHeaven ◆KKELIaaFJU B-7/ホテル内地下遊技場 DIO 155 EXiSTENCE ◆45MxoM2216 C-2、C-2とC-3の境目 ファバロ・レオーネ、神楽、リタ 157 インタビュー・ウィズ・纏流子 ◆Oe2sr89X.U F-4/旭丘分校、F-4/森林 纏流子、針目縫 158 咲からば、さあ―――『あの■■が無ければ、変わる事も無かっただろうさ』咲からば、さあ―――『この■が届くまで』 ◆NiwQmtZOLQ C-6 結城友奈、犬吠埼風 159 Vivid Survivors(前編) 引き合うように重なる拳Vivid Survivors(後編) 不屈の夢の彼方まで ◆Oe2sr89X.U G-2 ジャック・ハンマー、アインハルト・ストラトス、ホル・ホース 160 夢の跡、帰れない思い出の城 ◆gsq46R5/OE G-7/ラビットハウス 香風智乃、天々座理世、紅林遊月、風見雄二、空条承太郎、言峰綺礼 161 錯覚CROSSROADS ◆KKELIaaFJU B-2/駅近く 坂田銀時、絢瀬絵里 162 悪意の種、密やかに割れて ◆NiwQmtZOLQ B-7/ホテル DIO 165 地獄が噴き出る時を待つ ◆eNKD8JkIOw G-6/映画館地下 ヴァニラ・アイス 156 万事を護る者 ◆3LWjgcR03U B-3/地下闘技場、北西の島のどこか 神威、本部以蔵、宇治松千夜 163 わたしにできること ◆gsq46R5/OE A-3 宇治松千夜 【午後】 話数 タイトル 作者 位置 登場人物 164 足りない箇所をただ埋め合うように ◆Oe2sr89X.U G-7/ラビットハウス 香風智乃、天々座理世、紅林遊月、風見雄二、空条承太郎、言峰綺礼 166 飼い犬に手を噛まれる ◆3LWjgcR03U E-1/放送局、E-1/放送局外、E-1/橋上 アザゼル、小湊るう子、浦添伊緒奈、セルティ・ストゥルルソン、三好夏凜、ラヴァレイ 167 リボルバーにくちづけを ◆X8NDX.mgrA G-2 ホル・ホース、針目縫 169 もしもからきっと ◆3LWjgcR03U C-3/南東の端、D-4/南部の海岸付近 平和島静雄、一条蛍、東條希 171 同じ穴の狢 ◆X8NDX.mgrA E-1/放送局 アザゼル、小湊るう子、浦添伊緒奈 172 Ice Ice Vampire ◆45MxoM2216 E-6/地下通路 ヴァニラ・アイス 173 彼ら、彼女らの約束 ◆DGGi/wycYo C-6/広場付近 鬼龍院皐月、桂小太郎、コロナ・ティミル、宮内れんげ 170 憧憬ライアニズム Tonitrus憧憬ライアニズム Daydream憧憬ライアニズム Adenium憧憬ライアニズム Epigram憧憬ライアニズム Sprinter ◆gsq46R5/OE B-3/地下闘技場 坂田銀時、絢瀬絵里、ファバロ・レオーネ、神楽、宇治松千夜、本部以蔵、神威 【午後と夕方の合間・夕方】 話数 タイトル 作者 位置 登場人物 175 虚ろなる生者の嘆き:End in…?皇帝特権:Emperor Xenotranspranted戦のあとには悪魔が嗤う ◆NiwQmtZOLQ E-1/地下通路、E-1/放送局跡、F-2/上空 アザゼル、小湊るう子、浦添伊緒奈、三好夏凜、ラヴァレイ、ホル・ホース、針目縫 【夕方】 話数 タイトル 作者 位置 登場人物 176 夜へ急ぐ ◆WqZH3L6gH6 F-4/旭丘分校付近 平和島静雄、一条蛍 177 サカサマオツキサマ ◆DGGi/wycYo B-3/地下闘技場、C-3/高架下 東條希、セルティ・ストゥルルソン、宇治松千夜、絢瀬絵里、神威 178 ろうたけたるおもい ◆WqZH3L6gH6 F-7/万事屋銀ちゃん付近 桂小太郎、コロナ・ティミル 168 妹(前編)妹(後編) ◆3LWjgcR03U H-5/路上 香風智乃、天々座理世、紅林遊月、風見雄二、空条承太郎、言峰綺礼、纏流子、セイバー 174 チェンジ・ザ・ワールド ◆gsq46R5/OE B-7/ホテル DIO、ヴァニラ・アイス 【第三回放送】 話数 タイトル 作者 位置 登場人物 179 第三回放送 -あの思いは漂着- ◆WqZH3L6gH6 ??? 繭 Back【第二回放送までの本編SS】 Next 【第四回放送までの本編SS】
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【ミリマスSS】アイドルに拳銃を撃つフリをしてみたら 執筆開始日時 2015/06/12 元スレURL http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1434036867/ 概要 自己満自家発電 短いのですぐ終わります 横山奈緒の場合 P「なーおー、ちょっとこーい」 奈緒「はーい、何か用ですか~?」 P「バーン!」 奈緒「ぅぐあっ!」ビクーン P「バン!バン!バーン!」 奈緒「うっ!がっ!あがぁっ」ビクン ビクン ビクン 奈緒「な・・・なん・・・で・・・ぐふっ」 どさっ P「・・・」 奈緒「で、どやった、プロデューサーさん!」ムクリ P「流石奈緒、いいノリだ」グッ 奈緒「へへへー♪」 タグ ^横山奈緒 ^真壁瑞希 ^篠宮可憐 ^永吉昴 ^望月杏奈 ^伴田路子 ^野々原茜 ^箱崎星梨花 関連SS 次作【ミリマスSS】続・アイドルに拳銃を撃つフリをしてみたら 次々作【ミリマスSS】続々・アイドルに拳銃を撃つフリをしてみたら まとめサイト アムネジアss大全 えすえすゲー速報 えすえすログ ひとよにちゃんねる プロデューサーさんっ!SSですよ、SS! ポチッとSS!! SSまとめ みりえす!-ミリマスSSまとめブログ- SSびより SS 森きのこ! wiki内他頁検索用 コメディ ミリオンライブ
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「遅かったわね・・・・・・あれ、それは何?」 「カレ―。キョン君の家でもらったの」 長門さんは嬉しそうに答える。 最近では、週に一度はキョン君の家に、長門さんは寄り道している。長門さんが拾って、キョン君が飼っている 三毛猫・シャミセンの様子を見に行っているのだ。 最もそれだけでなく、一緒に勉強したり、学園祭に向けた準備をしているようだけど、夏休みの終わり頃から二人 の距離は縮まっているように感じる。 長門さんが書いた恋愛小説。あれは長門さんとキョン君の物語。 長門さんの話によれば、キョン君は中学時代の長門さんとの出会いを忘れてはいなかった。 それは長門さんの願い。七夕の日に星に願った事。 キョン君と最も親密なのは誰が見ても佐々木さんだ。あの二人の間には誰も入り込めないような気がする。 長門さんだって、そのことは解っている。だけど、彼女はキョン君のことが好きなんだろう。 自分が好きな人が、自分を好きになってくれる。 言葉にすれば簡単なことだけど、一番難しいことだ。恋愛は理屈じゃない。 学園祭で文芸部が出す文芸部誌のサンプルが今日出来たので、最終確認を行う。 最初は文芸部部員だけで執筆するつもりだったのが、何故かSOS団の団員達や喜緑先輩までもが執筆者に加わり、 文芸部誌は結構充実した内容になった。手前味噌になるけど、かなり読みごたえがある、面白いものになっている。 新生文芸部が生み出す第一弾としてはいいものだと思う。 ”そういえば、喜緑先輩も生徒会長と付き合っているんだったけ” 切れ者の少し鋭い感じのする生徒会長。温和な喜緑先輩と合うのかなと思っていたけど、うまくやっているようだ。 あの生徒会長が喜緑先輩とデ-トしている姿なんて、あんまり想像できないけど。 キョン君や佐々木さん、あるいは長門さんや喜緑先輩、それに国木田くんや古泉君立ちを見ていると、私も少し羨ましい気分になる。 恋愛がすべていい形になるとは限らない。思いが届かない、実らない恋もあるだろう。 それでも、誰かを好きになる、その思いは私には輝いて見える。 ”誰かいい人いないかな” 思わず心の中でそう呟いた。 同時刻 キョンの家。 「キョン君、電話だよー」 妹が大きな声で俺を呼ぶ。 「電話?誰からだ?」 少なくとも、この言葉を発したとき、俺の頭の中から最低十人は除外されていた。何か用事があれば携帯にかけてくるからだ。 「ナカガワさんとか言っているよ」 ナカガワ?ナカガワ・・・ナカガワ・・・・・・ 何度か繰り返し、俺はようやく該当する名前にたどり着いた。 「中河か」 しかし、なんであいつが?奴は佐々木と同じく、中学三年の時一緒のクラスだったが、そんなに親しかったわけじゃない。 ガタイが良くてラグビーか何かやっていたはずだが、そいつが何の用事だ? 首をかしげながら、俺は部屋を出て電話の所へ向かった。 「おお、キョンか。俺は一日千秋の思いでお前が電話に出てくれるのを待っていた」 電話口で、いきなり大げさな元クラスメートの声を聞き、俺は一瞬電話をこのまま切ろうかと思ったが、とりあ えず、会話を続けることにした。 「突然の電話でお前も驚いていると思うが、しかし、俺は今藁にもすがる思いなのだ。頼む、キョン。お前を男 と見込んで頼みたい事がある」 まあ、だいたいそんなことだろうとは思っていた。大して話したこともない奴がいきなり電話をよこすのは、何 か下心があって頼み事をするためであるという可能性が高いのだ。 しかし、俺に頼みごととは何だろうか? 「実はだ、キョン。俺には好きな人ができたのだ」 ほう、それはいいことじゃないか。で、どんな子なんだ? 「それがよくわからん。まだ喋ったことがない。実を言うと名前も知らない。しかし、北高の生徒であることは わかっているんだ」 かなり漠然としているな。北高の生徒だと言っても結構いるぞ。 「お前の言うとおりだ。その子を見かけたのは春先のことだったんだ。高校に入学して少し時間が経っていたん だが、ある日北高の制服を着た彼女に出会ってな、俺は一目惚れをしてしまったんだ」 一目惚れか。話には聞くが、それを体験した人物を知るのは初めてだ。 「俺もどちらかといえば、一目惚れなどありえんと考えていたんだが、自分がそうなって考え方を変えた。人間、 何事も経験だ」 しかし、相手のことが解らなければ、その気持ちを伝えようがあるまい。 「お前の言うとおりだ。その後何度か見かけたんだが、声をかけられるタイミングがなくてな。ところが、ついこの間、 彼女がお前といるところを見かけてな、お前の佐々木と国木田もその場にいたのだが、俺は迷った挙句、お前に電話をす ることを決めたんだ」 なるほどな。ところで中河、『お前の佐々木』とはどういう発言だ。 「隠さなくてもいい。お前たち二人の仲はもはや公認のものだろう。それより、俺の話を聞いてくれ。かなりお前は彼 女と親しげに話を話をしていたようだったのでな。お前なら大丈夫と思ったのだ」 俺たちを見かけたのはいつのことだ。 「つい二日前ほどだ。駅の近くだった」 その日は学園祭に必要な物を買いに行った日だ。 あの日は文芸部の部員たちと喜緑さん、それに鶴屋さんも一緒に買い物に行ったのだ。 中河が一目惚れしたのは、佐々木を除いた残り4人の誰かだ。 一体誰だろう?何か特徴があるのかね。 「まずかなりの美人だった」 それだけではわからん。佐々木も含めて皆美人ぞろいだからな。 「いつも微笑んでいるような雰囲気を持っていた。そして髪が長い」 この時点で長門と喜緑さんが除外された。二人ともそんなに長く伸ばしていない。特に長門はショ-トカットだし、それがよく似合う。 「あと、眉毛がけっこう太かった。変に細くしていなくて、ナチュラルな感じが実に良かった」 「朝倉か」 我がクラスの委員長にして長門の親友、朝倉涼子だった。 谷口があいつの独自ランキングでかなり高評価をつけていたが、成程中河も目が高い。 「朝倉さんというのか。そうか、ありがとうキョン。ついでにフルネ-ムを教えてくれないか」 朝倉涼子だ。字面はわかるか? 「ん、なるほど・・・・・・なんて素晴らしい名前だ。あらためてお礼を言う。それとキョン。もうひとつ頼みたいことがある。こっちの 方が重要なのだ。心苦しいが是非に頼む」 電話の向こうで頭を下げまくっている中河の姿が想像できた。
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魔法少女リリカルなのはSHINE~ばーじょんAs~ 著者:空魔神 2009年 10月 19日 更新> 作品の紹介 なのはSHINE~ばーじょんAs~第一話Bパート更新しました。 すずかと揃って図書館にやってきた聖。そこで出会うのは車椅子の少女で……。 それでは魔法少女リリカルなのはSHINE~ばーじょんAs~第一話Bパートに・・・・・・ドライブ・イグニッション!! As再放送が始まったので以前より考えていた番外編に取り掛かりました。 「なのはSHINE~ばーじょんAs~」タイトルの通り、Asでの聖を描いています。あくまでAsの聖の登場シーンを描いているので戦闘シーンは難しいかも。 それでは魔法少女リリカルなのはSHINE~ばーじょんAs~第一話Aパートに・・・・・・ドライブ・イグニッション!! 空魔神自身が初の本格的な原作沿いssに挑戦なので尾見苦しい点があるかもしれません。不明瞭な点があれば遠慮なく仰ってください。 蒼き天の支配空間
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ガイドラインダンゲロス・プロローグSS1『心に刃』 ガイドラインダンゲロス・プロローグSS2『ダンジョン・アンド・ガイドライン』 ガイドラインダンゲロスプロローグSS3『最も哀れな二人』 『砂糖よりも甘い彼』 ~佐藤頼天に対する劣情~ ガイドラインダンゲロス・プロローグSS1『心に刃』 いつもの自主鍛錬の帰り道。 曇り空に薄暗く翳る番長小屋の前で、虎を見た。 「……え?」 自分でも、それなりに度胸は据わっている方だとは思う。 一人で練習する姿を見られたくない、というだけで 希望崎学園の誰もが忌避する番長小屋の向こうにまで足を運ぶ程度にはだが。 それにしたって、この光景は異常すぎる。 何しろ、体長3mはあろうかという虎が、当然のように藪の中から這い出てきて…… 「鬼無瀬時限流」 「グルルルル……」 「さいど! わいんだっ!!」 小柄な自分から見ても小さい一人の少女と…… 激しく戦っていたのだから。 少女が目にも留まらぬ速さで飛び込んだかと思うと、 突進する虎と正面衝突して、交通事故めいて跳ね飛ばされる。 飛ぶ少女の軌跡に何かが反射して、短刀のような刃物を持っていたのだと気付く。 眼前の光景を理解する暇も無く、一瞬で勝負は決着し―― 「よっ、と」 とん、と軽すぎる音を響かせて、 空中の少女が……背後の樹木の枝を蹴った。 ――吹き飛ばされたのではなかったのか。 地面に一瞬たりとも足を着けずに、逆方向へと軌道を変えて…… 虎に弾かれた勢いを加算して、むしろ加速を。 「ガァゥッ!!」 体の芯を揺さぶる虎の咆哮に、叩かれたように我に返る。 ………………そうだ。虎だ。虎なんだ。 なんで私はここにいるんだ。あの子は…… 恐怖と共に私が息を呑んで見やると、 その時にはもう、少女は虎の肩口を蹴って――再び空中にいた。 「ふふん。結構私もできるようになったでしょっ! 『虎』!」 「グガッ!!」 ようやく気付く。あの子はさっきからずっと…… こうやって、周囲の地形を環境を、そして相手である虎自体を蹴って…… 三次元座標に跳ね回るピンボールの玉みたいに、高速で空中を駆け回っていたんだと。 「はっ」「ふっ」 着地のたびに吐息のように漏れる僅かな声の他は、本当に静かだ。 激突と着地の衝撃を全身のしなやかさで完全に殺して、 その全てのエネルギーを次の射出の力に変えているように―― 上。下。下。左。前。上。後。 これだけ離れていてもまだ目で追えない。まるで少女自身が、一つの柔軟なバネ。 剣術なのか。体術なのか。魔人達の非常識に慣れきった私でも判別のつかないくらい…… 異形で異質、無謀すぎるその戦闘法。 時間の感覚がなくなるくらい見惚れていた。 どれほどの間、少女と虎が打ち合っていたのか分からない。 けど、『その時』がついにやってきた。 「シャァ―――ッ!!」 鋭利な吼え声と共に虎が低く低く身構えて、 柔らかな全身の筋肉をべったりと平たく地面へとつけるのが見えた。 その生態を知らない私でさえも、次に何が起こるかは分かる。 突進だ――空中で突進衝撃を殺すあの奇妙な剣術の『技』すらをも殺す威力で、 あの少女を……砕き散らすつもりなのだ。 奇しくも少女はその時完全に中空を飛んでいて。 障害物を蹴って軌道を変えようにも、上下左右前後どの方向のそれに対しても、 わずかに、ほんのわずかにだけれど……足が届かない。 ――すごい。 今となっては信じられないけれど…… 恐怖より当惑より危機感より呆れより、こみあげてくる感情があったんだろうか。 その時の私は笑っていた。 やっと、その時気づいたのだ。 . . . ――あの虎は……すごい! いかに人間より遙かに柔軟な筋肉を持っていようと…… あれだけ不規則に鋭角的に、しかも空中で動きまわる小さな目標に、 あそこまで諦めず的確に、追いすがれるものだろうか。 少女に何度も短刀で刺された傷は……分厚い毛皮に阻まれて浅いけれど、 それでもその全てを僅かに外して、急所を守っている事がわかる。 そして、今。 あの空中機動の『一瞬の隙』のタイミングを完全に見切って…… 迷いなく、必殺の一撃を繰り出すのだ。 恐るべき技量は、少女『だけ』ではなかった――!! 「……!」 少女が虎の意図に気付く。逃げ場はなかった。 一瞬で、少女と虎の距離がゼロになる。 ――砕かれる…… パシュ、と、スプリンクラーのような音。 刹那の瞬間に血飛沫が閃いて、『それ』を私の眼に焼き付けた。 . . . . . . . . . . . 少女が何も無い空中で軌道を変え……!! 「――鬼無瀬時限、流 初目録」 「 『もとろふ』 」 一拍遅れて身体に感じる、圧力と殺意の豪風。 そうだ……私は、何を馬鹿なことを。 あまりにこの戦いが美しすぎて、考えてすらいなかった。 虎の突進の構えを正面から見ていたという事はつまり…… 「………………!!」 虎が、初めて私に気付いたように目を見開く。 黄色い砲弾が眼前に迫っていた。 ――少女で止まらなければ、私に向かうんだ。 足。動かない。竹刀。届かない。 一弾指一刹那。逃げる事も戦う事もできず。 ……光景が過ぎる。 虎。あの魂も潰されるような咆哮。 剣士――私にはあの動きが見えた――私は―――― 「「「 う あ" ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ッ ! ! ! ! 」」」 ――私は『声』を出していた。 信じ難い速力で飛び込んできた虎は、私をバラバラにするその寸前。 何か見えない壁に弾かれてくるくると回って、また地面に落ちた。 ―――――――――――――――― ―――――――――――――――― ―――――――――――――――― 「たてる?」 「……うん」 差し伸べられた小さな手を握って、私はよろよろと立ち上がる。 虎にはやっぱり全然ダメージなんかないようで、 私達を無視して草の上で平然と毛づくろいを続けていた。 「ごめんね、へへへっ! あたしも『虎』も修行に夢中で…… この辺り人もこないし、全然気をつけてなかった! 修行不足だ。へへへ」 「いいよ……ボーッと見てた私だって悪いんだし。 ……番長グループの子だよね?」 「ん!」 元気に手を上げて、少女がにっこりと答える。 手首に分厚く巻かれた包帯が痛々しいけれど、 この子にとっては、そんな事は気にもならないのだろう。 「あ、これは気にしなくていいよ! さっきの技でね。へへへ。 ちょっと自分で『切った』んだ。 血圧がいちばんバァ――ッって出るとこ」 そんな私の視線に気付いたのか、少女がニコニコと笑いながら答える。 「初目録の……『もとろふ』っていってね。 へへへ。実践型の『さいどわいんだ』も血圧を使うんだけど…… 私がかんがえた応用なの。すっごいでしょ」 自分から吹き出した血で…… まるで固体燃料を噴射して飛翔するロケットみたいに。 なんて無茶苦茶。そして荒唐無稽。 だけど……どうしてあの戦いに魅了されてしまったのか、今は分かる気がする。 そんな非現実的な剣術に、何故か私は――こみ上げる懐かしさを感じていたのだ。 「……鬼無瀬未観ちゃん、だっけ。 ねぇ。私さっき……虎を『押しのけた』の。 あれは――」 「……へへへ。あれは……すごいよ。すごい剣術だ。 あたしも出来るかなぁー、あれ。 『虎』の突進を止めるなんて、訓練したらすごい事になりそう」 「剣術……? 違うでしょう、私はただ声で」 そんな私の指摘を遮って、少女は笑う。 「ん。 『心中に刃在り』。って言うでしょ。へへ」 剣術……あの私の技は、剣術、だったんだろうか。 分からない。あの懐かしさの正体も、 この子に感じる不思議な親近感も…… でも、思いもよらない力が危機に目覚めるなんて事、本当にあるんだろうか。 そんな、小説やドラマのような都合の良い―― でもこれはきっと運命の出会いだったと、今でもそう思う。 「ねぇ……あなた名前なに!? 番長に来ない!? 虎とやりあったんだ! あたしが推薦するよ!!」 「ふふっ……心中に刃、か」 向日葵のように笑う小さな剣士に、私は顔を上げて名乗る。 「阿天小路御影」 ガイドラインダンゲロス・プロローグSS2『ダンジョン・アンド・ガイドライン』 「ひっ、ひぃっ」 暗く入り組んだ旧校舎の中を、少年が走り続けている。 その表情は闇の中でもはっきり分かるほどに恐怖に歪んでおり、 規則的に漏れるその悲鳴も荒い息に伴うものというより、 過度の緊張による横隔膜の痙攣によるものといったほうが正しいだろう。 「こ、こんな……こんなハズじゃなかった…… ありえねぇ、ありえねぇよ……!!」 大した事などあるはずがないとタカをくくっていた数分前の自分を呪いたかった。 『ここ』の評判に怯え尻込みする仲間たちを鼻で笑って一人で踏み込んだ彼だったが…… 今となっては、仲間たちの反応の方が正しかったと確信できる。 「あ、あわわ……」 もつれた足をどうにか立て直し、 すぐ目の前にある、自分の入ってきた玄関から転がり出ようとする。 「神はサイコロを振らない――」 「ひ、ぃっ」 先の見えない闇の中から響く少女の声。 硬質なダイスが転がる音と共に、 その位置はいつの間にか元に戻っている。 玄関から出ることができない。今日3度目にもなる……無駄な試み。 「う……うわあああああ!!!」 正体不明の現象を前に、失禁しそうになりつつも走る。 今や根源的な恐怖の本能だけが少年を突き動かしていた。 だが、理性なき本能は時に非合理な判断を下す。 眼前の恐怖から逃れるべく、彼はさらに迷路の奥へと迷いこんでいくのだ。 どれだけ走ったのかも分からない。 入口から随分離れてしまった。頭の中の基準であったその一点を見失い、 自分のいる位置も、玄関までへの道のりも曖昧だ。 ふとその事に気づいた彼が、焦りと共に自分の来た背後を振り返ると。 「……カシャン」 廊下の向こうで『何か』が動いた。 遠い。いくら暗闇に目が慣れていようと、 この距離では単なるシルエットにしか見えない……が、 「………………カ、シャ」 人の形じゃあない。 「ひ、い、いぃ」 謎の影が緩慢に動く。 肺の空気が急速に押し出されるのを感じながら、 すぐ視線を戻し前方へ駆ける。『あれ』の正体が何なのかなどどうでもいい。 ただ、この恐怖と理不尽に支配された空間の中―― あの人型でない何かに捕まってしまえばどうなるのか。 それを想像するのが恐ろしかった。 「ああ、あああああ!!!」 背後から、カシャカシャと無機質な音が規則的に響く。 歩みは遅い。幼稚園児が歩くようなペースで、じりじりとこちらに迫ってきている…… そう『迫ってきている』。 信じられない。あの動作の遅さからして足音のリズムからして、 全速力で走る高校生の自分に―――追いつけるはずなど、ないのに!! 「がぁっ、な、何だよおぉォォォォッ!! あああ!! ど、どうして……ゼェ、おかしいだろーッ!! おかしいだろおかしいだろ!!」 叫んでも速度を上げても、後ろに迫る無機質なペースは変わらない。 いやそもそも、さっきから筋肉がはち切れかねない勢いで走っているはずだ…… この廊下は、こんなに長かったか? (……! ………!!) 様々な激情に圧倒される頭を必死に働かせて、手近な扉から教室に飛び込む。 とにかく後ろの奴を撒くことができれば。 この廊下の異常現象から逃れて……それに教室には窓もある……! 「……あ」 . . . . . . . . . . 飛び込んだ瞬間――少年の体は元の位置に戻っていた。 「くす。くすくすくす」 あの玄関と同じ現象……!! 深い暗闇の底から、悪夢のような少女の笑い声が聞こえる。 「カシャン……カシャン」 「……ああ、あああ……!」 真っ白な顔が、眼前にまで迫っていた。 人間ではない。どのような原理で動いているのかも分からない。 巨大な人形が少年のすぐ眼と鼻の先にまで顔を近づけて、 振動するような奇妙なリズムの音で、カタカタカラカラと笑っている。 胃の底から吐き気がこみ上げる。 もう終わりだ――という実感だけがあった。 戦慄に凍りついた脳が再び動く間もないまま、彼の足は無意識に後退して…… 腐った床板を踏み抜いた。 予想だにしない落下に、全身をしたたかに打ち付ける。 地下だ。地下が……あったのか。 (そ……そうか。落ちる動きなら……遅くならない……) 頭のどこかの部分がそう冷静に呟く。 周りは1階以上の完全な闇に包まれていたが、 もうあの人形も追ってきていないだろう。 後はあの『引き戻し』をどうにかして、脱出しなければ―― 「……」 違和感。掌を前に出して、今の感覚が本当かどうかを確認する。 ぽつり、と落ちた雫が神経を刺激する。 それはさらに二雫、三雫と増えて…… 「嘘だろ……」 ――雨が降っていた。 室内の、それも地下に……雨。 ざあざあと降り注ぐ雨音は、暗闇の閉じられた空間で、 聞いたこともないような奇怪な響きとなって反響する。 「ど、どうなってんだよォォ……ああ、うぁ……!」 ひとまず逃げられた、と判断したのは間違いだった。 この校舎にいる限り逃げ場なんてない。 走る。走る。 闇雲に走った結果、何か薄い壁のようなものに思い切りぶち当たる。 壁ではない。扉だ。出なければ。脱出しなければ。 ガチャガチャと焦燥に震える手つきで扉を開け、隣の部屋に。 「…………ぅ、」 『見なければよかった』―― 心からそう思わせる光景が、目の前に広がっていた。 膝が崩れる。一体どんな存在が何の目的で、こんな事を…… 部屋の中に吊るされた、大量の人間が…… 降り注ぐ雨の中、ドロドロに溶かされていた。 まるで少年のこれからの運命を、暗示するかのように。 「うそだ、うそだ……な、あぁ……」 ギシギシと揺れる人型の隙間から、 異様に小さな影がするりと姿を現した。 顔面に当たる位置に不自然に被せられた、巨大な帽子。 その隙間からずるずると伸びる、顎髭じみた体毛。 「―――はやき風よ」 『それ』が人の言語じみた呪文を呟く。 もはや限界に達していた少年の意識は―― 次の叫びと共に、完全に失われる事となった。 「 光とともにかいほーされよ!! 」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「気絶してる。やっぱり怖がらせすぎたかしらねぇ」 倒れた男子学生を見て、湯川量子は溜息をつく。 先程の床板といい、老朽化した旧校舎には踏み入ると危険な場所も多い。 彼女の能力は、客が順路を外れないようにという配慮だったのだが。 「………。ごめんなさい、私……」 音杭セーラが申し訳なさそうに頭を下げる。 人形と時間操作能力を使って客をじりじりと追い詰める演出は彼女に適任だったが、 そのせいで客が床を踏みぬいてしまったことには、責任を感じていた。 「セーラちゃんのせいじゃあないわよ。 下見は私達の担当だったし……あの廊下は順路から外さないと」 「うん。床を踏み抜いちゃうとは思わないもんねー。 下にいたあたしもびっくりしたもん」 錆山五十鈴が頷く。彼女の役割は、酸の雨と廃品回収したブロンズ像を使って、 旧校舎各所に設置するホラーオブジェを作成することだ。 ドロドロに溶けた人型の像で、客にさらなる恐怖を提供できると予想していたが…… 初日から既に変な噂が広まっているようだし、これ以上怖くしてもなあ、と思い始めていた。 「はぁ。旧校舎を使うってアイデア自体は良かったし、 学園祭のお化け屋敷としては成功なんだけどさー…… 怖すぎるせいでお客さんが少なくなったら」 「あはは、本末転倒よねえ」 「………………でも皆さん、ちゃんと仕事をしてくれています……」 番長グループ学祭委員の3人が出し物の今後についての話をする中、 小さな少女がトコトコと駆け寄る。 「ねーねー、あとなの魔法みた!? なんだか今日はたのしいなぁ! みんな普段と違って、あとなのこと怖がってくれるもん!」 つけひげの中から覗く無邪気な笑顔に、 3人もつられて微笑んだ。 「……そうね、ふふふ。 じゃあ私達も、この調子で頑張りましょうか」 「ま、あとなちゃんが楽しんでくれてるならいっかなー」 「………………ですね」 ガイドラインダンゲロスプロローグSS3『最も哀れな二人』 「……ねねかさん」 夕焼けの公園に、カラスの声が虚しく響く。 ジャングルジムに座る佐藤頼天は、ブランコで天を仰ぐ蝦夷廻ねねかに話しかけた。 「僕達の存在意義って、なんだろうね、ハハ……」 喉の奥から、自然と自嘲的な笑いが漏れる。 佐藤頼天の声は震えていた。 「……知らん。ただ言えるのは…… 私達は今回、スタメンに選ばれる事もSSに出演することもイラストに描かれる事もなく…… ただ、忘れ去られていくだろうという予測のみだ」 「そうか……いや、分かっていたんだ……ははっ…… ごめん……ねねかさん……」 背を丸めて、片手で目を覆う。今や溜息までもが震えていた。 幼い頃から、ずっとこうだった。街で目が合えば見知らぬ人にもレイプされ、 授業で居眠りをして目が覚めるとレイプされている。 レイパー、ビッチ、あらゆる人種が頼天の下半身を狙っている。 家に帰れば家族までレイプをしてくる徹底ぶりだ。 レイプ。レイプ。レイプ。お前らはヨハネ・クラウザーII世か。 彼をレイプしない人物といえば唯一、全身を機械化し性欲を超越した蝦夷廻ねねか…… 彼女くらいのものである。 「ねねかさん、あのさ……訳もなく悲しくなる時ってないかな…… 例えば……カウンターが発揮する前に戦線離脱しちゃう時とか、 永久蘇生の筈なのに蘇生しない時とか……」 「私は機械だ……そのような感情はない……そのような感情は……」 天を仰いだまま耐える彼女の姿を見て、頼天は改めて実感する。 ――なんて醜いんだ……僕は。 自分だけが不幸でいることにいられないから―― 同じ境遇の彼女を、言葉で追い詰めて……嗜虐的な喜びを感じているのか、僕は。 イラスト。スタメン。 もはや届かない、輝く上澄みの世界。 自分達は打ち捨てられた沈殿物のようにこのキャンペーンの下層で濁って、 やがて誰の記憶からも忘れ去られていく。 (それで……いいのかもしれない。 僕みたいな、ただレイプされるだけの悲惨なキャラクターなんて…… 誰かに記憶される方が、役立たずとして記録される方が―― 忘れ去られるよりも、悲惨なんじゃないか) 「ねねかさん……」 もはや結論は出た。 ――僕はどうしようもなく醜い、ただの無意味能力者だ。 今日何度目かの、黒い感情の発露をねねかにぶつけようとしたその時―― 「なにやってるのあなた達! 本戦が始まるわよ!!」 見ると、目付きの悪い少女が……ジャングルジムの下から頼天を見上げていた。 この子の名前を、頼天は覚えていた。萌木原ジャベリン。ドラフト委員だ。 大きな目でこちらをギロリと睨みつけ、ツインテールを揺らして叫ぶ。 「ったく……皆作戦会議に大忙しだっていうのに、 あなた達2人だけこんなところで油売って……! しっかりしなさいよねっ! さっさと支度しなさい!」 「……。 …………いいんだ萌木原さん。僕らはだって…… 参加したところで……僕らの能力なんか……」 「はぁ!?」 「無意味能力……なんだから……!!」 悔しさに歯を食いしばりながら見ると、ブランコに座るねねかの手も、震えているようだった。 彼女も……機械として感情を殺したはずの彼女ですら、 この『無意味能力』という屈辱には耐えられないのだ――― 「何訳分かんないこと言ってんのよあなた達?」 けれど、そんな言葉を受けてなお…… ジャベリンは心底不思議そうに……首を傾げていた。 (そうか。そうだよな。ドラフト委員に、僕らの苦しみなんて……) 「十分役に立つじゃない、あなた達」 「……え?」 当然のように放たれたその言語に、頼天もねねかも呆然とする。 ねねかが混乱した調子でブランコから立ち上がり、ジャベリンに問いかける。 「だ、だが私達は……GKから『能力発動しても無意味』と断言された……! 今更その事実は覆らない! しかも今回のキャンペーン、 ガイドラインを見落として無意味能力になってしまうのは『自己責任』だ…… 同情などしなくていい……ましてや機械の、この私になんて……」 「そうだよ……僕らは君たち萌木原さん達プラスには遠く及ばない。 マイナスなんだ……僕らだって諦めてる。無理なんかしなくていいんだよ」 「な、何よいきなり……! なんか面倒臭いわね、あなた達」 ジャベリン自身、2人からそんな反論があるなんて予想だにしていなかったのだろう。 2人のネガティブさに軽く引きつつも……仕方ない、と溜息をついて、 彼女は論理的に説明する。 「……いいわ。そこまで言うなら、面倒だけどもう……! この私が、あなた達のどこが必要なのか説明してあげる! 感謝しなさいよね! 私達が必要としているのは、あなた達2人の『共通点』よ!」 「僕らの共通点……? それは無意味能力は共通点だけど……」 「だから無意味能力は離れなさいよ! 他よ!」 「あ、あるかなぁ……? 性別も違うし、学年だって違うじゃないか。 それって一体……」 「いやある。私達は2人とも……『攻撃力20』だ」 ねねかの気付きに、ジャベリンが頷く。 「そう、その通り。あなた達の攻撃力は最大値…… ブロッカーすらも殺せる可能性のある、アタッカーの花形っ! 俗にいう『20アタッカー』なのよ! 2人とも!」 「そ、そんな事……! 大体20アタッカーっていったって、 生徒会のブロッカーなんて耐久合計23とか22とか、そんな連中ばかりじゃないか…… 一撃で殺せないなら、僕らの必要性なんてないだろ!?」 「確かにそうだ……空憂愛は23、ユーフォリアと無神月ルカは22…… これじゃあとても能力のない私達では……」 「はぁ……本っ当にバカねあなた達!! 確かに、普通にやれば耐久に21以上振ったブロッカーにアタッカーは通用しないわ! そんなの誰だって分かってるわよ! そもそもアタッカー防げなきゃブロッカーじゃないじゃない! でも忘れてない!? 今回のキャンペーン、そういうのを解決する、『ある能力者』がいるでしょ!」 『ある能力者』―― 頼天もねねかも、一瞬首を傾げる。 ブロッカーをあと一息で削れない、自分達20アタッカーをサポートして…… そして今回のキャンペーンに特徴的な能力者……? 「……! そうか、『広範囲体力1ダメージ』だ……! あの美装女戦士ミルキーレディの正体のような! そしてこっちにも同じタイプの能力者がいる! 環あとな……あの子の能力が2回も直撃すれば、 耐久22ブロッカーも僕らで一撃で殴り殺せる……!?」 「ドラフト初手級と無意味能力者の私達が、まさかのコンボ……!?」 「ふふん、よく気付いたわ! 褒めてあげてもいいわよ。 それともう一つ……佐藤頼天!」 「はい!?」 鋭い眼差しと共に頼天を指差す、萌木原ジャベリン。 まるで10歳とは思えない威厳を備えている。 「あなたそのステ振りで『無意味能力者』ってどういう事よ!!」 「え、それってどういう……」 「全然無意味じゃないでしょう! むしろ戦線離脱できるでしょう! 使えないとか無意味だとか、何訳の分からない事言ってんの!? 終盤のDP収支は勝負の分かれ目……それはもう常識よ! 好きな時に……殺される前に離脱できるなんて、アタッカーとして最優秀の能力じゃない! しかも制約が効果なんて、あなたどれだけマンチなのよ!!」 『マンチ』――その単語は先程まで自分を無意味能力と卑下していた頼天にとって、 それは青天の霹靂とも言えるインパクトで響いた。 ――マンチ。この僕が…… 「ま、待ってくれ……戦線離脱アタッカーなら他にもいる! 同マス通常攻撃した上で戦線離脱、とかの方が僕よりどう考えても強いじゃないか! 無理して持ち上げないでくれ……! 上位互換なんていくらでもいるんだ!」 「上位互換? 本気でその言葉を言っているなら、救いようがないわね。ふふん。 嘘だと思うなら、これを見てみなさい!!」 「こ、これは……!?」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 空撃ちの禁止 ・特殊能力は適正な対象がいない場合は発動できません ・「範囲内全員」などの複数の対象を取る能力の場合、範囲内に適正な対象が1人でもいれば使用できます ・複数の効果を持つ能力の場合、ひとつでも空撃ちとなる効果があってはいけません ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「このルールは……まさか!」 「ふっ、理解したみたいね……他の効果と組み合わせた戦線離脱制約は、 『空撃ちの禁止』により、その対象がいないと使用できない。 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . つまり、いつでもどこでも、自由に戦線離脱できるのは…… 佐藤頼天! カウンター待受と同時に離脱するあなたの能力以外にあり得ないのよ!!」 勝ち誇ったように腕を組んで、目を閉じるジャベリン。 頼天は気付く。彼女が自分をドラフトしてくれたのは……それは…… 決して、余り物なんて扱いではなかったのだと……!! 「それにあなた、20アタッカーなのに精神も安定していて…… 体力だって4もあるじゃない! 普通、20アタッカーの体力精神なんて2とか、よくて3よ! これじゃあ純ダメで殺す事だってできないわ!」 さらに言い放つジャベリンに、詰め寄る少女があった。 蝦夷廻ねねか。頼天とは違う、本当に全く意味のない…… 使えば一回休みになるだけの能力者。 「だ、だが私はどうなる……!? いや、私は機械だから気にしない……能力が無意味とか、ステ振りとかも気にしないが…… 体力は7ある……! だが精神は最初から0……0だ!! 佐藤のように、『精神が安定している』という利点すらもないのだ……! 精神狙撃されて死ぬのがオチだぞ!」 「そんなの、敵には三ツ矢アキカンサイダーがいるんだから、 精神3以下なんて0と一緒よ! どっちにしろ同じでアタッカー運用するなら、 体力なんて高ければ高い方がいいに決まってるじゃない!!」 「!!!」 「あなたの体力は……あの攻撃5の月読芽九の一撃にも耐える事ができる! アタッカー殺しのステータスに対抗出来る20アタッカー! しかも純ダメに備えて、抜け目なく体力に7ポイントを全振りしている…… これ以上優れたステ振りのアタッカーは、他にいないわ!」 地面に膝を付き、ねねかはその『感情』を噛み締める。 自分がドラフトされたのは…… 決して、余り物なんて扱いではなかったのだと……!! 「萌木原さん……! ぼ、僕達……SSに出れるかな……」 「出れるわ!」 「まさかイラストも、描いてもらえるだろうか……!?」 「当たり前でしょう!!」 「スタメンも……ダンジョン&ダンゲロス出演も……」 「だから! いつも言ってるでしょう! あなた達はこんなに可愛くて賢いこの私がドラフトしたメンバーなんだから――」 萌木原ジャベリンは、なおも面倒くさそうに…… けれど自信と自負に溢れた表情で。 このキャンペーンで最も哀れ『だった』二人に向けて、断言する。 「最高にクールでイケメンなスーパー魔人に違いないの! 私が言ってるんだから……間違いないでしょ?」 『砂糖よりも甘い彼』 ~佐藤頼天に対する劣情~ CASE.0106 少輔守道の場合(頼天が15歳の時) 少輔守道は苦しんでいた。 同級生の佐藤頼天がどうしようもなく愛しいのだ。 二人は全国屈指の名門校、羅猿(ら・ざーる)高校の生徒である。 ここに通う生徒は将来は医者か高給官僚といったエリートになる。 余人に代えがたい人材を守るため、この高校では魔人が徹底的に排斥されていた。ゆえに治安がすこぶる良かった。 少輔守道、身長181cm、ずっとバスケをやっていたため筋肉質な笑顔で見せる白い歯がまぶしい少年である。 佐藤頼天、身長159cm、小柄で中世的な美少年、色素と体毛が薄い。女嫌い。 二人は高校で初めて出会い、同部屋だったこともあって仲良くなった。 守道は今まで自分がノーマルだと思っていたため、男性に対して恋心を持ってしまった自己を忌み嫌い、 それでも佐藤頼天が好きな己の気持ちを止められず、苦しんでいた。 ◆◇◆◇◆ 幼いころからの度重なる女性からのレイプに佐藤頼天はすっかり女性不信になっていた。 そこで、女性のいない安全な場所、すなわち、全寮制の男子校を進学先へと選んだ。 ここでは頼天をレイプしてくる同級生女子もいないし、頼天を拉致監禁する女性教師もいない。 これで晴れて自分はレイプと無縁な快適な人生が遅れる、と頼天は楽観視していた。それが"甘かった"。 ◆◇◆◇◆ 「ああ゛ーーー扇風機気持ちええええーーー俺ー扇風機と結婚するううう」 入学して最初の期末テストが終わり、打ち上げやろうぜ☆というノリで同じクラスの寮生で集まって夜に宴会をこっそりすることになった。 寮は基本、二人部屋である。1部屋の両サイドに左右対称になるようにベッドと机が設置されている。 ベッドの上も合わせて8人がぎりぎり座れる広さである。参加者は10人。人口密度がやばい。 今日の宴会は寮生の中で一番部屋が綺麗に片付いている佐藤と少輔の部屋で行われた。 この宴は決して寮監にばれてはいけない。酒を持ち込んだことがばれれば停学もあり得る。 だが、そんな細かいことは気にしていられない。今日はパーティーなのだ。はっちゃけなくてどうする。 慣れない酒を飲んでみんなすっかり出来上がってしまっていた。 ただでさえ暑い中、アルコールで更に体温が上がってしまい、守道は扇風機を抱きしめなにやらうわごとを言っている。 「もう眠たいし俺、帰る」 「おうお疲れー寮監に見つからねえようになー」 夜遅くなっていたこともあって一人、また一人と人数が減っていく。 とうとう残ったのはこの部屋の住人である少輔守道と佐藤頼天だけになっていた。 守道は酒で顔が上気した頼天をみて鼓動が早くなるのを感じていた。 酒のせいだろうか、普段はひた隠しにし、ずっと抑えてきた頼天に対する黒い劣情――押し倒して思う存分挿入したい!――が今日は抑えられそうにないほどに守道の心の中で暴れまわっていた。 「んあーあいつら片づけもせず帰っていきやがって、んー佐藤、片づけ明日にして俺らも今日は寝るかあ」 「うん、そうだね。僕ももう眠たくて仕方ないや」 すでに自分のベッドで横になっている頼天、電気を消せばすぐに寝てしまうだろう。 守道は入り口近くにある照明スイッチで蛍光灯を消そうと立ち上がった。 「おっと」 守道は足をもつれさせてしまい、倒れこんだ。倒れこんだ先にはちょうど頼天が仰向けに寝ていたため、ちょうど押し倒したような形となった。 「ちょ、少輔、重たいよ」 「おーわりぃわりぃすぐどくわ」 と言いながらも、守道はそこから動かなかった。 頼天の琥珀の瞳をみていると吸い込まれそうになる。 甘いいい匂いのする頼天の体臭、ずっとこの甘美で妖艶な甘い匂いを嗅いでいたかった。 見つめ合ったまま守道は動けなかった。 鼓動がさらに早くなるのを感じる。 このまま顔を近づけ、その唇に唇で触れたい。 「佐藤、俺、お前のことー・・・」 「わ、ちょ、ストップ!スト―――ップ!!!やめ、やめろ!」 そのまま顔を近づけてキスしようとしてきた守道を頼天は必死で制止する。 はっと我に返った守道はすぐさま起き上がった。 「すまん!俺、どうかしてた。忘れてくれ。」 守道は何をやっているんだ自分は、と自分を心の中で叱咤した。 無理にことを運ぼうとして、今築いている良好な関係がくずれたらどうする? ああーもしかしたらもう取り返しがつかないことをやってしまったかもしれない。 明日から佐藤は俺を避けるようになるかもしれない。最悪、部屋替えを寮監に申し入れるかも、そうなったらどうしよう・・・。 と、守道はかなり狼狽していた。 「俺、頭冷やしてくるわ」 と頼天のベッドから立ち上がり、シャワー室へ行って水浴びして頭を冷やしてこよう、と守道は立ち上がろうとした。 離れようとしたその時、シャツが引っ張られるのを感じた。 下をみると、頼天が自分のシャツの裾をつまんでいる。 疑問の表情を頼天へ向ける。 「えっと・・・その・・・キスくらいなら・・・いいよ?」 うっすらと涙が張った上目づかいで言われ、守道は理性は瓦解した。 「・・・佐藤」 「(ビクッ)ん・・・何?」 「キスするぞ」 守道は頼天をレイプした。 ちなみに『羅猿高校校則第34条:ホモへの覚醒については初回に限り不問とする。』 全寮制の男子校であるためノーマルからホモへと覚醒する生徒が後を絶たない。 ノーマルからホモへと覚醒した瞬間の性衝動は抑えがたきものがあるため、レイプも初回に限り許される。 守道が頼天をレイプしたのはもちろん周囲にばれていたが、この校則のため不問とされた。 ◆◇◆◇◆ 良好な友情関係が崩れることを懸念したのは頼天も同じであった。 このままだとギクシャクし、疎遠になるかもしれない。そう感じた頼天はなんとかしなければという思いに駆られ、 挿入されるのは嫌だが、キスだけで終わるならもとのまま友達が続けられると判断し、本当にキスだけのつもりで「キスくらいならいいよ」と言ったのであった。 無論、盛りのついた男子高校生がキスだけで治まるはずもない。 そんなことを言えば相手に劣情に火をつけるだけである。 佐藤頼天は考えが何より"甘い"のだ。 ◆◇◆◇◆ それから、守道は頼天とふたりきりになる度に頼天の体を求めるようになった。 頼天には最初必ず断られるが、断られても引かず、強引に押し続ければ最後には承諾してくれる。 それが頼天も自分との関係が満更でもないことの証なのだと守道は勘違いしていた。 その日も情事を重ねようと、頼天を部屋に連れ込んだ。 頼天は口では嫌だ嫌だというものの、結局はこうして自分の言うとおりにしてくれる。 守道は二人が相思相愛なのだと思い込んでいた。 その日、いつも通りベッドに押し倒そうとした時、頼天が突然反旗を翻した。 「もういやだあああああああ」 頼天は心からの拒絶の意思を示し、守道に殴り掛かった。 少しずつため込んでいた鬱憤がついに我慢の限界を超え、爆発したのだった。 それは必ずしも守道がもたらしたものだけではなく、幼いころからのレイプ経験で累積した怒りも入っていた。 この瞬間こそが、佐藤が【魔人】へと覚醒した瞬間だった。 襲いくる脅威に対してカウンターで攻撃する――これが佐藤頼天の魔人としての能力である。 だが―― 「・・・・・・ん?」 殴られると思い反射的に目を閉じて身構えた守道は数秒たってもくるべき衝撃がこないことを疑問に思い、おそるおそる目をあけた。 視界に映っていたのは顔面から数センチの距離で停止している頼天の拳、 そしてその奥で頼天が愕然とした表情をしていた。 ◆◇◆◇◆ この頼天の行動にもっとも驚いていたのは他ならぬ頼天自身であった。 本気で殴るつもりで拳を振り上げたのに、なぜ自分は拳を寸止めしてしまったのか? 自分の体が自分の意思に反したことに驚愕するとともに頼天は原因を模索した。すぐに答えは見つかった それは拳が守道に届くまでの刹那の時間に考えてしまったからである。 殴られたら痛いに違いないということを。 もし相手が自分だったら?ということを。 気づいたら頼天の体は頼天自身の意思に反して拳を止めていたのだ。 「あ・・・あっ・・・」 頼天の両目からぽろぽろと涙が零れる。 自分は他人を殴れないということがわかってしまったからだ。 ――そもそも、無理だったのだ。 幼いころから痛みを受けてきた彼には、 ヒトよりもヒトの痛みがわかってしまう彼には、 殴る瞬間でさえも相手のことを慮り、自分と重ねてしまう彼には、 他者に危害を加えることなど、そもそも不可能だったのだ。 敵を殴れなければ自分が酷い目に遭うだけである。そのことを理解しつつも頼天は敵を殴れない。 佐藤頼天は人を殴る覚悟が誰よりも、"甘い"。 こうして、「他人を殴れないカウンター魔人」がここに誕生した。 ◆◇◆◇◆ 「佐藤・・・?」 突然、殴りかかってきたと思ったら寸止めをし、 目の前で大粒の涙を流している頼天に守道は声をかけた。 顔をくしゃくしゃにしながら涙を流す頼天を、守道は「なんで突然泣き出したのだろう?でも・・・可愛い。」と思った。 「う・・・うわあああああああ」 泣きながら頼天は脱兎のごとく逃げ出した。 「あ、おい、佐藤!」 守道が慌てて追いかけるも、魔人とただの人間の身体能力の差はすさまじく、あっというまに佐藤の姿は見えなくなった。 「佐藤ーーー!俺、おまえのこと、絶対に守るから!」 息を切らして追いかけながら、もう見えない頼天の背中に向かって守道は叫んだ。 先ほどの寸止め、そして今の移動速度。身体能力を見るに頼天が魔人へと覚醒したことは明白であり、そのことに守道も気付いていた。 魔人に対する世間の目はまだまだ冷たい。ましてや、自分たちは他の学校よりも魔人に厳しい羅猿高校である。 頼天が魔人であることが周囲にばれれば、確実に高校を退学させられるだろう。 そうなれば二人は離れ離れになってしまう。何としても魔人であることは秘密にしてより天を守り通そう、と守道は決意した。 その日、守道は頼天を探し続けたがが、とうとう頼天を見つけられなかった。 もしかしたら既に寮に帰っているかもしれないと、一旦寮に確認しに行ったが頼天は戻っていなかった。また、街へもどり捜索を再開した。 愛する人が泣いているのに、ほっとくわけにはいかない。守道は徹夜を覚悟し、頼天を探し続けることにした。 そのころ、頼天は逃げ帰った実家(寮から数県は離れている)で実の母親にレイプされていた。 この後、帰ってきた父親にみつかり佐藤夫婦は離婚調停、さらにその後、佐藤は御園家に養子に出されることになる。 ◆◇◆◇◆ 結局、頼天が魔人であることは周囲にばれてしまい、頼天は自主退学を余儀なくされた。 もちろん守道は誰にも話していない。 しかし、頼天が到底人間には出せないスピードで逃げ帰る様は地域住民に多数目撃されていたため、そこから頼天が魔人であるという情報が広まってしまったのだ。 羅猿高校は魔人の入学・在籍を認めない。魔人に優秀な生徒をむざむざ殺させるわけにはいかないからだ。 在籍中に生徒が魔人に覚醒した場合、事件を起こしても起こしていなくても、その生徒を学校から追放する。 こうして、頼天は全国の魔人の受け入れ先である希望ヶ崎学園へと編入することになった。 <CASE.0106 終>
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47 名前:ぽっ(ry[sage] 投稿日:2006/11/13(月) 22 45 20 ID a5C8lgKS 龍子「……はっぴばーすでー、とぅーみー。はっぴばーすでーとぅーみー」 社長「なんでそんなにやさぐれてんだよ?」 龍子「……ケーキ」 社長「うぐ」 龍子「シャンパン。プレゼント」 社長「うぐ、ぐふ、でふぁっ!?」 龍子「……何か申し開きは?」 社長「……ありません……盗まれた俺が悪かったです」 龍子「……凄く、凄く楽しみにしてたんだぞ……」 社長(……うーん。こういう所は凄いカワイイんだよなぁ) 龍子「!? あ、や、違う! お、おなかの中の子がケーキとかシャンパンを楽しみにしてたんだっ!」 社長「……お腹の中の子には悪いけど、プレゼントしかあげられないな」 龍子「え? プレゼんっ!?」 社長「ハッピーバースデー。龍子」 龍子「……ダーリンのばか。でも……大好き、ダーリン」 $貧「クッサー! クサイ上にあったかいなんて! なんて、なんて! ……悲しくなんかないもん」 っていうわけで龍子さん誕生日オメ!
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イザヤ×ナオキ/02969さん 一輪の花が咲いた。 彼が教室に入ってきた瞬間、ナオキはそう思った。 「イギリスからの転校生、イザヤ君だ。日本は初めてだそうだから、いろいろと教えてあげること。」 担任の良太郎に紹介され、転校生は一歩前に出る。 「イザヤです。父はイギリス人、母は日本人です。二人とも日本が大好きです。 だからボクも日本のこと、とても興味があります。お友達もたくさん欲しいです。よろしくお願いします。」 少し硬さは残るが、とても流暢な日本語での挨拶。 そして彼が窓際の席に着くまで、ナオキの視線はずっとイザヤの上で止まったままだった。 (美人だ…。) ほとんどブロンドに近い髪や、通った鼻筋、形の良い唇、そしてハーフならではである程よく彫りの深い顔を見て、 ナオキは軽く溜息をつく。授業が始まっても上の空で、何度も振り返り彼を盗み見た。 長い睫毛が碧の瞳に影を落としていた。 「なぁなぁ、イギリスってどんなとこ?」 「日本語上手いよな。英語も話せるんだろ?」 「家はどの辺り?」 「向こうってさ…やっぱ、その…進んでんの…?」 休み時間にはみんながイザヤを取り囲んでいた。 たたみかけるような質問責めにも、彼は嫌な顔一つせず答えている。 転校初日ですっかりクラスに馴染んでしまったようだ。 ナオキは頬杖をつきながらそのやり取りをしばらく聞いていたが、急に立ち上がり クラスメートたちを押しのけると、バン!とイザヤの机に手をつき興奮気味に言った。 「オレ、ナオキ!友達になってやるよ。わからないことがあったら何でもオレに訊けよ。 いいな、オレにだぞ!」 自分が何故こんな行動に出たのか不思議だったが、すぐに答えはわかった。 これは、嫉妬だ。 転校生に親切にしようとしている自分の仲間さえうとましく感じるほど、 ナオキはイザヤに一瞬にして心を奪われてしまっていたのだ。 クラスメートたちは唖然とし、イザヤは目を見開き驚いた表情を見せている。 (失敗した…?) 血の気が引くのを感じた。こういうのは第一印象が大事だというのに。 いきなりなんだと思われたかな。引かれてたらどうしよう。 不安な気持ちばかりがよぎり、ナオキはうつむき、ほとんど諦め自分の席に戻ろうとした。その時、 「すごく嬉しいです。どうもありがとう。」 柔らかな声にはっとし、顔を上げたナオキは、自分がもうこの恋から逃れられないであろうと悟った。 そこにあったのは、花が咲きこぼれるような満面の笑顔だった。